とねりこブログブログ

知的障がいのある子の習い事 PART2

知的障がいのある息子がピアノを習い始めたことは以前に書きました。今回は絵画教室に通い始めた時のお話です。

ピアノ教室に通い始めた話はこちら↓

絵画教室に通いたい

絵画教室に興味を持ったきっかけ

息子は元々すごく絵が好きなわけでも、図工が好きなわけでもありませんでした。

お姉ちゃんが絵画教室に通っており、その展覧会を見に行った時にワークショップに参加したのがきっかけです。

息子はワークショップで絵の具で色を塗るのが楽しかったようで、「ぼくも教室に通いたい」と言うようになりました。絵の具は学校でも使ったことがあるのですが、絵画教室で変わった描き方をしたことがとても楽しかったようです。

すでに習っているピアノ教室は個別指導なので特性的なものは先生に配慮してもらっていますが、絵画教室は集団でのレッスンのため配慮の部分がどうなるか心配です。知的障がいのある子でもその絵画教室に通えるのかどうか、まずは相談してみることにしました。

絵画教室に相談、そして体験

絵画教室に電話をし、知的障がいやこだわりがあることを伝えると教室の先生は「その子にあったペースでやればいいので大丈夫だと思う。ぜひ一度体験を」と言ってくださり、早速翌日に体験に行くことにしました。

体験には私も付き添いました。その時は絵の具で色付けした紙粘土作品を作ったのですが、息子は当時のマイブームであったアルファベットを作っていました。こだわりのある息子、他の課題の時もアルファベットしか作らないのだろうなぁ、先生に出された課題の通りにはできないかもなぁ、と思いました。

先生に「毎回アルファベットしか作らないと思うんですが、いいんでしょうか?」と伺うと「楽しく取り組むことが1番です!何を作っても大丈夫ですよ」と言ってくださいました。

絵画教室の様子としては、一応毎回課題はあるものの、その課題にあまり乗り気でない子はさっさと終わらせて、その後自分の好きな課題に取り組むも可。という感じでその子のしたいようにさせてくれる感じでした。

集団での授業なので、先生の話をきちんと聞けるかな?言っていることを理解できるかな?という心配がありましたが、1クラスに3人ほど先生がつき、一人一人の様子をよく見て下さっていたので、少し安心しました。

学年によるクラス分け

絵画教室に通おうと思ったのが小学3年生の3月。絵画教室は低学年と高学年のクラスに分かれており、低学年は60分授業、4年生からの高学年クラスになると90分授業になります。もう4年生になる息子でしたが長時間の集中力はないので、4年生になっても低学年教室で参加することは可能かどうか伺うと、快くOKしてくれました。

息子も楽しく教室に通うようになり、たまに私もこっそりと教室の様子を伺いにいきますが、息子の行動についてやはり注意しなければならないなと思う部分はありました。

息子の行動で注意しなければと思ったところは、

・先生がみんなに説明している時に、いちいち返事をしてしまう。

・みんなで課題に取り組んでいる時に、関係ない話を先生に話しかけてしまう。

・みんなが後片付けの掃除をしているのに自分は我関せず、座ったまま自分の世界に。

私が注意することもありますが、先生から注意してもらった方が本人もよくわかり、正しい行動ができるようになっているように思います。絵画教室の先生達はあくまでアートの専門家で療育の知識はないので、療育的な接し方をしてくれることはありません。正直あれ?と思ってしまう対応もありますが、息子にとっても良い経験かなと思っています。

絵画教室に1人で通う

いざ教室に通うようになると、まわりの友達が1人で来ているからか、息子も1人で通いたいと言い始めました。絵画教室は家から徒歩10分程度。知的障がいもあるので途中で何かあったら怖いなと正直思いましたが、どうしても1人で行きたいとのこと。道はすっかり覚えていたので、信号でのルールを確認、一度テストをしてから1人通いを解禁しました。

最初のうちは心配で遠くから監視しながらついていきました(何回もバレましたが。。)しかしルーティン化の得意な特性のため、信号、道を渡る時のお約束はバッチリ。意外と大丈夫そうだなと安心しました。

また、教室を入退室する時にアプリで通知が来るので、毎回通知が来るまではドキドキ、来たらほっとしています。ただ、時々予期せぬことは起きているようで、「道に人が倒れていて怖かった」「バイクの音が大きくて嫌だった」などとその都度報告してくれます。

絵画教室の意外な効果

小学校では知的支援級に通う息子。集団や知らない子が多くいる場所が苦手で、交流級に顔を出すことはほとんどなく、支援級の教室でずっと過ごしてきました。

ところが、絵画教室に通い始めて3ヶ月。息子が交流級の図工に行ってみたいと言い始めました。絵画教室の知らない子ばかりの中で過ごすことが普通になり、交流級に行く自信に繋がったのかなと思います。

交流級に図工の時間だけ行くようになってさらに1ヶ月。今度は他の科目も交流級に行きたいと言い始めました。知的障がいがあるので交流級に行ける科目は少ないのですが、書写やタブレットの授業も交流級に行くようになりました。

絵画教室では相変わらず自分のマイブームのものの作品ばかり作っていますが、その他の部分でも多くの成長が見られ、通い出してよかったなと思っています。

知的障がいのある子の習い事

障がいのある息子に習い事を検討する際にはいつもまず不安がつきまといます。この習い事は息子のレベルでもできるものなのか?この教室は障がいのある子でも受け入れてくれるのか?いつもドキドキしながら、言葉を選びながら習い事のお教室に問い合わせの電話をしています。

習い事を始めてからは、障がいがある息子にはこの部分はちょっと難しいかな、と思うこともあり、先生に相談しながら進めるなどしています。しかし、その他の部分では思わぬ成長につながっていることもあり、通い始めてよかったと思うところも多々あると感じています。

障がいのある子でも気軽に挑戦できたり、楽しめる習い事が増えてほしい、と思うと同時に、お母さん達がドキドキしながら問い合わせをする必要がなくなる環境ができるといいなと思います。

なつめ

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