とねりこブログブログ

発達特性のある子の自転車~練習させる?やめておく?〜

発達特性のある子に自転車を乗らせるかどうか迷ったことはありませんか?

私は正直、知的障がい・発達特性のある我が子が自転車に乗るのは怖いなと思っていました。交通ルールをきちんと守れずに事故にあってしまったり、自転車でどこにでも行けるようになって、行方不明になってしまったり。色々な可能性を考えると心配になり、自転車は乗れないままの方が良いなと考えていました。
しかし、そんな我が子も成長し自転車に乗りたいという気持ちが強くなり、改めてその問題について考えてみました。

自転車の練習

息子は今までにも何回か自転車の練習をしたい、と言うことがあり、一緒に練習をしたことがありました。しかし、あまり気乗りのしない私の気持ちもあり、そして息子自身も体幹がまだしっかりしていなかったせいか、上達せずにそのうち練習しなくなる、ということを繰り返していました。

自転車のブームは数ヶ月~1年くらいのスパンでやってくるのですが、今回もまたブームがやってきた模様(好きなアニメの主人公が自転車に乗っていた影響でしょう)。再び練習を始めました。

しかし今回自転車の練習を始めてみると、なんだかいつもと違う様子。「あれ、なんか乗れちゃいそう…」息子も成長し、体幹もしっかりしてきたのか、あと一歩で自転車に乗れそうな雰囲気になっていました。
息子も自分でそれを感じたのか、一生懸命に自転車の練習をするようになりました。時間があれば庭に出て自転車の練習。転んだり怪我をするとすぐ嫌になってしまうタイプなのですが、それでも気を取り直して練習を続けたりと、とても一生懸命な姿に私も自然と頑張れ!!と応援するようになっていました。

そして思った通り、1週間とかからず自転車に乗れるようになったのでした。満面の笑みで自転車をこぐ姿はなんとも嬉しそうで、見ているこっちも幸せになりました。
「自転車をこいでると、空気がおいしいね!」
↑息子の名言 笑

自転車に乗る上での不安

さてさて、ここで一番最初に私が懸念していた問題に戻ります。発達特性があった場合に不安なことを1つずつ検証していきます。

1.自転車でどこかに行ってしまう?

息子は未就学児の時に一人で出かけてしまい行方不明になったことがあります。そのトラウマがないこともないのですが、当の本人も「さすがにもう一人ではどこにも行かないよ」とのこと(笑)
成長し、一人で出かけない約束は守れるようになりました。

2.交通ルールは守れる?

徒歩では近場の決まった道なら交通ルールを守って歩くことはできています。果たして自転車はどうなのか?

自転車のルールとしては、
①通行は原則車道の左側。歩道を走る場合はすぐに止まれる速さで車道側を走る。
②ヘルメットをかぶる。
③信号や交通標識には車と同様に従う(一時停止など)
④夜間はライトを点灯

以上のことに気をつけて、私も息子と一緒に自転車で家の前の道を走ってみました。

実際に道路で走ってみる

左側通行で、歩行者優先。車に気をつけながら進みます。息子は周りをよく見ながら進んでいるようす(キョロキョロばかりしてないで前もしっかり見てほしい)。
交通ルールは徒歩のときと同じように、一度教えれば大丈夫そう(ルーティン化は得意な特性)。
ただ、実際にやってみて思ったのは、その時々で起きる不測の事態への対応が難しいことでした。

例えば、歩道のない道の端を通っているときに歩行者が来たら、歩行者を避けて車側にふくらまないといけない。その際には歩行者の他に前方・後方の車にも注意しないといけない。
また、自転車を漕げるようにはなったけど、ブレーキの握り方、利かせ方がまだ上手にできないようすです。ブレーキをぎゅっと握って自転車を止めることはできますが、少しずつブレーキを握って減速するという力加減が難しいようで、まだまだ練習が必要そうです。(坂道なんてもってのほか)

自転車を操作しながら他の様々なことに気を配らなければいけないというのは、同時処理が苦手な特性の子には大変なことなのだなと改めて感じました。

結論

一人で自転車に乗って出かけるにはまだまだ沢山の経験が必要。自転車に乗るときには必ず大人がついていくこと、場所によっては乗らずに自転車をひいて歩くこと、を約束しました。通る道もよく考えて、通行量が少なく、事前に親がその道の注意点を把握しておくことが必要そうです。その時々でどういう対応をすればいいのか耳で聞いても理解しづらい特性なので、それは実際に目の前でやって見せなくては覚えられないかなと思いました。

息子が自転車で一人で出かけるという未来はまだ見えません。しかし、こんな場合にはどうするのか、親子でその都度一緒に考えていくことは、我が子にとって「自分で考えて判断する」という良い勉強になりそうです。

発達特性といっても千差万別、その子によって得意不得意が異なるので、お子さま一人一人にあった支援法・対策を見つけることが大事だなと思いました。

なつめ

コメント