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知的障がいのある子の習い事

知的障がいのある子の習い事事情について書いたお話です。

知的障がいのある息子、ピアノを習う

小学校の特別支援級知的学級に通う息子は小学2年生の6月からピアノを習い始めました。きっかけは、私が家でピアノを弾いている時に「その曲は何?」と言い始め、「ぼくも素敵な曲を弾けるようになりたい」と自分から言い始めたことでした。

ピアノ教室を探す際には、息子が知的障がいや自閉傾向があるので受け入れてくれるところがあるかという不安がありました。最寄りの大手のピアノ教室に問い合わせたところ、障がいのある子もその子に合ったペースで教えていますのでぜひどうぞ、と言ってくださり体験ののち通うことにしました。

大手のピアノ教室は先生がたくさんいるのでどんな先生がいるのか、先生が我が子に合うのか不安かと思いますが、体験で合う合わないを見極めると良いかもしれません。

息子を指導してくださっている先生は障がいにとても理解があり、まずは息子の望んだ通りにさせてくれ、その後「先生もこれやりたいんだけどいい?」などと息子の様子を見ながらレッスンを進めてくれます。

集中力が続かない特性

息子はその日によって機嫌が悪かったり、集中力も続かない特性なので、ヘソを曲げて涙したり、途中で嫌になってしまうこともしょっちゅうです。

そんな時は先生も他の楽器(タンバリンやトライアングルなど)を使った合奏に切り替えたり、息子の好きな歌を一緒に歌ってくださり、無理なく楽しく過ごせています。

知的障害で楽譜が読めない

息子は楽譜が読めません。目で見ただけではファとソの音符の違いなどが理解できないようです。新しい曲を弾く時は、先生や私が口頭で音符とリズムを伝え、それを覚えて弾いています。そのうちに、教えなくても耳で聞いた音を自分で弾けるようになってきました。

はじめての発表会

そんな息子が初めて発表会に参加することになりました。特性があるので、不安なことはたくさんありました。

不安なこと

①会場を事前に下見できないが、どこから出て来てどこでお辞儀するなどの流れがわかるのか。

②好きな色の服しか着なかったり、感覚過敏で着るものをいつも自分で選んでいるが、発表会用のいつもと違う格好ができるか

③曲を弾き間違えた時にパニックになったりしないか

④機嫌が悪くなって発表会に出ない、とならないか

⑤順番が最後の方なので、待ってる間に集中力が切れないか。(集中力が切れるとびっくりするほど間違えまくります)

以上のことについてどうすれば良いか、先生とも相談しながら考えました。

①発表会の大分前からピアノ教室内で入退場の練習をする。
会場のどの方向から入ってきてどこでお辞儀をし、どちらから出ていくかをレッスンの度に練習をしました。先生との連弾曲を弾くため先生が側にいる予定だったので、いざと言う時には先生にもフォローをお願いしました。

②発表会の服を購入する時は、本人に選ばせる。
当時は息子が赤色が大好きだったので、赤色のスーツを選びました💦赤色の服を買うことは親としては勇気が入りましたが、発表会当日はドレスを来たきらびやかなお子さまもたくさんいたので、雰囲気として浮くこともありませんでした。革靴も柔らかい素材のものを選び、本人もスーツに合う靴にテンションが上がっていました。

③曲を間違えた際の対処法を何度も伝えておく。
曲を弾き間違えてもそのまま弾くように伝え、普段の練習でもそのようにしました。私も昔はピアノを習っていたので「ママも発表会で間違えたことあるんだよ〜」と失敗談を伝え、間違えても大丈夫なんだということを理解させました。

④⑤機嫌をとるために、そして飽きてしまった時のために好きな飲み物やお菓子を発表会当日に持参する。

機嫌ばかりは当日にならないとわからないので、当日は本人の機嫌をとることに終始しました。最悪発表会に出られなくてもOKとしようとも考えていました。

発表会当日、緊急事態発生

発表会当日を迎え色々な対策をとっている中、緊急事態発生...

ついに発表会当日。朝から息子の機嫌を取りながら、特に問題なく会場の駐車場に到着しました。しかしそこで見知らぬ男性に突然息子が叱責されたのです。(息子は何もしていません。その男性の勘違いです。)怒られるということに誰よりも恐怖心を持っている息子。見知らぬ人から突然怒られたことに動揺し、身体の震えが止まらなくなってしまいました。

好きな飲み物を飲ませたり会場周辺を散歩して気を紛らわせようとしましたが、息子の頭の中は怒られたことでいっぱいになってしまいました😢発表会に出るのは難しいかなと正直思いました。

不安の残る会場入り

そのような状態で不安の残る中会場入り...

発表会に出られるかな、どうしようかな、と私もギリギリまで考えを巡らせていました。しかし会場に入りステージ上のピアノを目にした息子は、途端に先程の恐怖よりも発表会の緊張の方が上回った模様。息子は「発表会緊張する〜」と言いながら、結果的には良い緊張感で演奏に臨むことができました。

自分の出番が終わった後の方が飽きてしまい、会場を出て外で飲み物を飲んだりしながら他の子の演奏を聞いていました。

発表会の本番

肝心の本番は...

名前を呼ばれたら嬉しそうにニコニコで壇上に上がった息子。無事にいつも通りに弾き終わり、最後のおじぎまでできたー!!と思ったら、小走りで退場口に走って行きました。壇上で走ることは予想していなかったので、次回の発表会ではその点を予め注意しておきたいと思います!

ちなみに初めての発表会の本人の感想は

「緊張して足がぶるぶるしたー!でもまた発表会に出たい!」でした☺️

written byなつめ

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